コノサキ×××

絶望



ハァ。ハァ。


とりあえず、車探そ


運転手さんお願い…居て!

ここ…昨日通った道!


あっ!あれだ!


待ってくれてたんだ


良かった


『運転手さーん』


百合也は思いっ切り手を振り車の方へ走っていき、立ち止まった。





運転手さん殺されてる





『もう、帰れない』



とゆうか、今いつ自分が殺されてもおかしくないぐらいヤバイ状況だと思った。



立ちすくむ百合也に冷たい風が差し込んだ。




『何この匂い…』



異変に気付き車の後ろに古びた焼却炉があった



恐る恐る覗き込むと



『!』




百合也の視線の先には



2体の焼死体が無惨にも放置されていた。




百合也はアメジストのペンダントとスワロフスキーで散りばめられた時計を見てすぐに分かった。



『雅子おばちゃんと滋おいちゃんだ』




百合也は沈黙としてその死体を見つめていた


隙が出来た百合也に何者かが近づいてくる気配がした


『ぅおーいおみゃー人ん飯に手ェー出すっ気かぁー』

『おみゃーも殺されてんかー』


不気味な声で刃物を持った中年の男がフラフラと百合也の方に向かってくる。


百合也は身の危険を感じダッシュで山の方へ登って行った。


『焼死体…飯…』


『やっぱりあの時の肉人の肉だったんだわ…』


『そしてこの村に踏み入れたよそ者を容赦なく殺して…』

『きっとそれを食べてるんだわ』

『正気じゃないはずよ』


ハァ、ハァ…。


『ここまで来れば』


『サバイバルってこんな感じなのかな』


今まで何不自由なく暮らしてきた百合也にはもう耐え切れなかった。






『帰りたいよ…』



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