『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
「……少し喉が痛いようです」


「気を付けてね?アルに付き添っていると忙しいから あ!あとで風邪薬を届けさせるわ」


リンはフェリクスを気遣い、そう言った。


「いいえ、このくらい大丈夫ですよ すぐに治りますから」


実は彼はフェリクスではなくアルフォンス。


フェリクスは焦ったが、疑っていない素直な瞳にホッとなる。


まだまだ見つかるわけにはいかない。


ゲームは始まったばかりだからね。


「ねえ?フェリクス、変装したアルを見つけること出来る?」


誰にも聞かれないように愛らしい顔を寄せて小声で聞く。


「そうですね、すぐに分かります」


「ほんとにっ?」


嬉しそうに満面に笑みを浮かべたリンを見て、フェリクスは笑いたくなった。


「ええ、何かのゲームをされているのですか?」


「そうなの、早くわかった方が勝ちで、負けた方が言う事を聞くゲームなの」


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