『王恋』☆ハロウィンは恋ざかり☆
「楽しそうですね?リン様はアルフォンス様に何をさせたいのですか?」


「それは内緒♪」


羽のマスクをしていても、リンが楽しそうなのは良くわかる。


「楽しそうですね」


「だからフェリクスの力が必要なの、舞踏会室に入るまでは絶対にアルを見つけられると思っていたんだけれど、こんなにたくさんの人がいては目が回りそう」


「それにリン様が歩けば独身男性に声をかけられてしまいますからね わかりました 私がご一緒いたしましょう」


「ありがとう フェリクス」


嬉しそうにお礼を言うと、リンはフロアーに視線を向けた。


さっそくアルを探している。


隣に立つフェリクスは笑い出しそうになり、片手で口元を押さえた。


気づかないとは……。


少し自信を無くすな。


まあいい、私の勝ちだからね。


「ぁ……でも、フェリクスがパーティーを楽しめな――」


「ご心配なく わたしの使命はアルフォンス様ご家族を護る事ですから」


リンの優しい思いやりを心の中で喜びつつ、真面目な顔で答えた。


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