わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 悶々と。
 どうしようもない苛立ちが胸の奥から込み上げてきた。

「そういうのやめてよ。
 同情されると余計に惨めになるから。
 綾子は照哉くんと帰って。
 私は一人で大丈夫だから」

 冷たく吐き捨て踵を返し、急いで教室出口へ向かった。


「待って、ほのか!」

 慌てたように綾子が叫び、私の腕を背後から掴んで引き留める。

「放してよ!
 もう私のことはほっといて」

 掴まれた右腕を大きく一振りし、全力で駆け出した。


 廊下を走っている途中、山田と擦れ違った。
 けれど、「秋山?」という心配そうな呼び掛けを無視して、私は走り続けた。

 ノートのコピーのお礼もまだ言っていない。
 昨日一応伝えたけれど、でもあの時、結局山田を突っぱねるようにして、私は家に引き籠ってしまった。


 ああ私、人間として最低限のことすら出来ていないなぁ。

 そんな自分が、
 情けないを通り越して、哀れに思えた。


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