わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「ほのか!」

 冬以が大声で私の名を呼び、冷たい頭の中で、ブチッという音が鳴ったような気がした。

 私は――
 勢いよく振り返り、冬以めがけて走り出していた。

 名前を呼ばれたことに腹が立った。
 他にも色々、冬以に対して思うことはあったけれど、とにかくきっかけはそれだった。


 冬以の目の前まで来ると、持っていた鞄を冬以に向かって叩きつけた。
 無我夢中で。
 何度も何度も。

 冬以は両腕でそれを受け止める。
 けれども、怒らないんだ。
 辛そうに顔を歪めて、ただ黙って殴られ続けている。

 だから、虚しくなった。
 だから一層、腹が立った。


 殺してやりたい。

 本気でそう思った。


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