わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「ほのか」

 私と目が合うと、遠慮がちに小さく名を呼んだ。
 反射的に視線をそらして俯き、何も返さずに擦れ違った。

 あの時のような込み上げる怒りはないけれど、やっぱり、話したくないという気持ちに変わりはない。


「話がしたい。
 何もしないから」

 背後からそんな声が聞こえる。
 またついて来ている。
 うんざりしながらも無視して歩き続けた。


 不思議と恐怖はなかった。
 けれど、自宅を知られたくはなくて。
 帰り道の途中にある児童公園に寄り道をした。

 滑り台、シーソー、ブランコ、ジャングルジム。
 最低限の遊具しかないそこは、高校生の私にはあまりに不似合で。

 その不自然さから、私の心中を冬以が察してくれたら……
 そんな淡い期待もあったかもしれない。


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