わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「じゃあ、ファミレスかどっか行く?」

 くしゃりとさせた笑顔で冬以が言った。

 ああ、そっか。

 『マズい』というのは、私の部屋に二人きりになることだったのか。
 今更気付いて、思わず苦笑がもれた。


「いいよ、うちで。
 ジュースもあるよ。
 多分アイスもあったはず、食べる?」

 冬以の腕を絡め取って、グイグイ門の中へと引っ張り込んだ。

「ちょ、ちょっと待って」

 焦燥しきって軽く抵抗する冬以に、

「冬以とは――
 そんな雰囲気にはならないよ。
 それに冬以は、無理矢理したりもしないだろうし」

 彼が案じていることを単刀直入に否定した。

 けれど、
 そういう雰囲気になったなら、それはそれで良いと思った。

 今の自分の意思なんかどうでも良くて。
 何もかもを流れに任せてしまいたい、そんな気持ちだった。

「ん~」

 ため息のような、唸りのような、良くわからない変な声を漏らしながらも、冬以は引っ張られるまま私と一緒に家の中へと入った。


< 190 / 363 >

この作品をシェア

pagetop