わたしとあなたのありのまま ‥2‥
「違うって、綾子。
雨の日に、田所の部屋で花火やって、ちょっとした騒ぎになった」
本当にしゃべり辛い。
けれども、ここもちゃんと否定しておかないと。
「それ絶対、『ちょっとした』じゃないよね?
大騒ぎだったよね?」
すぐさま綾子の突っ込みが入る。
どっちだっていいじゃない、そんなこと。
「大家さんに軽~く注意されただけだよね?」
今度は田所に同意を求めた。
「今度何かやらかしたら、出てってもらうって言われたわ」
その時のことを思い出したのか、田所は苦い顔をしてそう言うと、ようやく私の頬からその手を離した。
私の味方は一人も居ないのだろうか。
なに? この四面楚歌状態。