わたしとあなたのありのまま ‥2‥



 『そんな風に器用になりたいとも思わない』



 最後のそれは、せらちゃんが自分自身に向けた言葉のような気がした。

 けれど、私の心にも深く浸透してきて。
 それが光を灯す。
 まるで暗闇の中の道標のように。


 わたしは――
 不器用な自分を、不器用な田所を、
 何度も何度も恨めしく思った。

 器用になりたいって、
 何度も何度も願った。


 せらちゃんは強いなぁと思う。

 私も、そんなせらちゃんに少しでも近づけたら……


< 256 / 363 >

この作品をシェア

pagetop