わたしとあなたのありのまま ‥2‥


「山田先輩、戻って来ませんね」

「あ、ほんとだ。
 もう休み時間終わっちゃうじゃん。
 どうせ、ザビエルに捕まってんじゃない?
 あいつの話、相当濃いから。
 髪は薄いのに」

 せらちゃんは、私の寒いギャグにも目を細めて愉しげに笑うと、

「私、教室戻ります」

 清々しい笑みを浮かべて私に向かって手を振り、クルリと向きを変えて、軽やかに廊下を走り抜けていった。



 ありがとう。



 せらちゃんの背中に向かって、心の中だけで呟く。


 私を好きだった山田が、せらちゃんを好きになったこと、心の底から誇らしいと思った。


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