わたしとあなたのありのまま ‥2‥


 やがて――

「言いたくない」

 と。
 ポツリとそんな言葉を落とす。

「は?」


 まるで駄々をこねる子どもみたいだ。

 ふざけんな、と。
 どうしてここぞって時にさえ、この男は甘い言葉の一つも口にできないのか、と。

 そんな不満がどんどん私の中で膨らんで、今にも破裂しそうだ。


 田所はそんな私の腰と背に両手を回し、ゆったりと抱き寄せた。

 宥めようとでもしているんだろうか。
 けれど、『抱きしめる』は『カチューシャをはめて見せる』の交換条件だ、当然じゃない。


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