トランキライザー
つぐみはきょとんとした顔をした。
「何って、待ち合わせ場所に向かってたんだよ。圭斗にちょうど会えて良かった」
にっこりと笑うつぐみ。でも、俺は笑えない。
「今、誰と一緒だった?」
「今?あぁ、隆(リュウ)くんのこと?」
あっけらかんと同級生の名前を言った。
「圭斗と電話を切ったあとに会ってね、行く方向が一緒だったからさっきまで一緒だったんだ。どうしたの?」
「・・・なんで、なんでおまえはそんな普通に、冷静に居られるんだ」
「えっ?」