トランキライザー

 それから俺は少し寝ていた。

「おい、圭斗起きろ」

 店長が部屋の扉を思いっきり開けながら入ってくるまでは。

「・・・うーん、おはよう」

「はいはい、おはよう。とりあえず、顔洗ってこい。それから仕事だ」

「はいはーい」

 携帯を手に取り、顔を洗いに手洗い場へと行った。

 携帯を見ると、つぐみからの着信が入っていた。かけ直すことはしない。

 メールを見ると、謝罪文の塊だった。

「はぁ」

 返事をすることなく俺は携帯をポケットにしまった。
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