トランキライザー

「圭斗」

 顔を洗い、顔を拭いていると店長の声が背後からした。

「何?店長」

 鏡越しに視線を送った。

「大丈夫か?」

「何?俺そんなにやばそうに見える?」

 鏡で自分の顔を見る。目の下に少しのクマがある以外はいたって普通に見える。

「いや、そうじゃないけど」

「じゃあ、何?」

「圭斗にとって、つぐみちゃんは結構いい役目だったと思ったからな」

「・・・どういうこと?」

「いや、なんでもない。大丈夫ならいい」

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