トランキライザー

 今の一瞬でよくぞ、こんな言い訳が思いついたな、俺。

「なんだ、そうだったんだ。停電って困るよねー。昼間せずに夜中にしてくれたらいいのにねー」

 葵のどうでもいい話に適当に相槌を打った。

 愛想笑いがこんなにも苦痛とは・・・。

「おーい、店開けるぞ」

「はーい」

 店長、助かったよ。

 仕事は問題なくこなした。

 仕事をしている間は思い出す事もなく、忘れられてすごく楽だった。考える時間がないっていうのは、凄い良かった。
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