トランキライザー
「じゃあ、おつかれさまでした」
皆より先に着替え、仕事場を後にした。
なんだかじっとしてられない。
携帯を取り出した。また彼女からの着信があった。でも、それを放って、敦志に電話を掛けた。
「はーい」
少し陽気な声だった。
「なんだ、酔ってんの?」
「えー、そんなに酔ってないけど。どうした?」
周りで、色んな音や声がしていた。
「今どっか行ってんの?」
「今ー?今、居酒屋。来る?って、女居るからダメだわな」