トランキライザー

「じゃあ、おつかれさまでした」

 皆より先に着替え、仕事場を後にした。

 なんだかじっとしてられない。

 携帯を取り出した。また彼女からの着信があった。でも、それを放って、敦志に電話を掛けた。

「はーい」

 少し陽気な声だった。

「なんだ、酔ってんの?」

「えー、そんなに酔ってないけど。どうした?」

 周りで、色んな音や声がしていた。

「今どっか行ってんの?」

「今ー?今、居酒屋。来る?って、女居るからダメだわな」





< 124 / 186 >

この作品をシェア

pagetop