トランキライザー
「今日もバーの方の仕事入ってるの?」
「入ってるよ。店長マジ鬼だわ」
ノアーツは昼前から夕方にかけて、カフェとして営業している。そして、その後バーへと切り替わる。わりと忙しい店で結構働かせられている。
「あー、そんなこと言うなら店長に言っちゃうよー」
理沙ちゃんはケタケタと、いたずらっぽく笑った。人懐っこくて、よく笑っている可愛らしい女の子だ。
「ちょっと、勘弁して。絶対また死ぬほどこき使われるから」
信号が変わり、店へと急ぐ。