トランキライザー
『シーツ捨てておいて。明日新しいの買ってくる』
俺は自分でそう言った。でも仕事があったし、頭に血が上っていたのもあって忘れていた。
つぐみはそれを見越していたんだろうか。きっと買い物はこれだったんだ。
元はつぐみのせいとはいえ、買い物のことを怒ったことを少し反省した。
言ってくれればあんなふうに言わなかったのに・・・。
「言い訳を言えなくしているのは俺なのにな」
寝ているつぐみの横に座り、つぐみの顔にかかった髪をかきあげ、顔を覗き込んだ。
「何があっても離れないでくれよな」
忠犬のように、ずっと俺の帰りを待っていてくれ。