甘く、甘い、二人の時間

ふと、私の背中を撫でていた拓海の大きな手が、左手を握る。


指を絡める様に優しく、指先を刺激する。



「……?」


――何?


拓海の背中にまわっていた私の左手。


自由になって、何か、違和感?




「――これ…」




自分の見た物が信じられなくて、思わず拓海の顔を見上げる。




「クリスマスに旅行を計画したのは、この為。まあ、結局行けなくて、菫を怒らせただけだけど。」



「…拓海。」


この為って?

これって、つまり。




答が欲しくて見つめていた拓海の顔が、赤く染まっていく。



< 13 / 209 >

この作品をシェア

pagetop