甘く、甘い、二人の時間



昼休み。


「拓海さん、こんにちは。」

「ああ、どうも。」



昼食を買いにコンビニに入ると、菫の同僚に会った。


菫いわく、彼女(莉乃ちゃん)とは仲がいいので、休憩はいつも一緒にとっている

……はずだが。




菫の姿が見当たらない。



「菫はまだ仕事中?」



俺の言葉を聞いて、莉乃ちゃんは不思議そうに首を傾げた。



「菫、風邪らしくて、昨日から会社休んでますけど…」


答えながらも、だんだんと声が小さくなっていく。



聞いてませんか?


莉乃ちゃんの顔には、間違いなくそう書いてあった。

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