誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
『水川さん!』
「先生に報告してくる!」
『はい!』
きっと、賢吾くんが食べた生卵は消費期限が切れてた。
だからノロにかかったんだ。
ガラッ
「生卵です!」
『あ?』
「昨日の夜、賢吾くん、卵かけごはんを食べたそうで――」
『なるほどなぁ。やっぱり感染じゃなかったか。水川、今夜が山だぞ。』
「はい…。」
『2、3日入院決定。説明行ってくる。ベッドの手配よろしくー。』
「了解しました。」
先生が出て行って、賢吾くんと私、2人きり。
ノロだなんて…。
ぁあ、ベッドの手配しなきゃ。
そう言えば、杏ちゃんの隣の個室開いてたわよね。
そこだ。
『ただいま戻りましたー。』
「ぁ、釘宮さん!」
『水川さん、まだいたの!?もう上がりの筈でしょ?残代、つくのかしら?』
「はは…今、ノロの患者が来て、507号室に入院することが決まりましたので、ベッドメイキングお願いできますか?」
『了解。すぐやるわ。』
夜勤で巡回から帰って来た釘宮さんに後のことをお願いする。