誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
『愛実、』
「え――っ」
『…愛実が、好きだから。』
「―――っ!?」
引き寄せられて、囁かれた言葉は、私がいつか聞きたいと思っていた言葉で。
耳に届いたその声は、脳と心に一直線に響いてきた。
まるで、新様の罠に堕ちたような感覚。
『愛実、』
「…っ、」
『愛実も俺のこと好きでしょ?』
「ッ――…!!」
私を抱きしめた離さないその腕も。
意地悪なことを言うその声も、唇も。
私を包むその香りも――…すべて、新様。
「…っ、私…、」
『うん?』
「新様のこと…っ」
新様は気付いてる。
でも、自分の言葉で、この気持ちは伝えなきゃいけないと思った。
「新様が好き…ですっ…!」
それが、私が新様に愛を伝える、唯一の術だから…。