‡3姉妹の恋‡【幸せになりたい私たち】
「健一郎…
私たち、もう終わりにしよ…」
ガチャッ!
持っていたカップを勢いよく置いた
そんなしぐさから、健一郎が怒ったのがわかる
普段、ほとんどといっていいほど
激しく怒らない健一郎が
眉間にシワを寄せ
鋭い瞳で私を見る
「健一郎、わかって!
私も、苦しいの…
いつかは…いつかは、私の元へ来てくれるって
信じてた
恥ずかしいけど今でも心の隅で思ってる…
でも…
奥さんがあんなことになって…
さぁ、前のように…ってワケにはいかない…
言っちゃイケないコトだけど
奥さんがいなければいいのに、って
何度も思ったことだってある…
それが…それが本当になっちゃって
なんだか今、ものすごく怖いの…
どこかで、奥さんが見てるような気がして…」
言い終えると、
健一郎の手が私の頬に触れ
親指がそっと輪郭をなぞる
「あ……」
いつのまにか、涙が流れてた