《完》シークレット･ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜

洸さんの言葉は的確に、
あたしの心の凍えてる
部分に、触れてくる。



｢オレを信じてついて来れば、
お前は必ず変われる。

一人じゃない。――オレと
一緒に、始めるんだ｣



｢一人じゃ、ない―――…｣



｢そうだ。

だから―――来い｣



グイッ、と。



洸さんの手が、あたしの
腕を引く。



｢あ…………っ｣



バランスを崩したあたしの
体は、次の瞬間、洸さんの
腕の中だった。



｢……………!?｣



一体、何が起こってるの？



パニックに陥りかける
あたしを引き留めるように、
静かに聞こえる洸さんの鼓動。


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