《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
そしてもう一度……
あたしの弱いところを包み
込むかのような、温かい
言葉が、降りてきた。



「オレがお前を……本当の
姿のお前に、戻してやる」



「洸……さん……!」




――不思議な気持ち。



フワフワと――夢の中に
迷い込んで、体と心が宙に
浮いてしまってるみたいな。



――本当にずるいね、洸さん。



高慢でイジワルなこと
ばっかり言ってた人なのに……

今の鼓動と言葉だけは、
なぜかこんなにも、
優しいんだから。




………洸さんの腕に
包まれながら。



あたしは自分の中のナニカが
小さく動き出したのを、
感じてた――…。





     ☆☆☆☆☆


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