《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
男の人はすぐに察して、
あたしと一緒に部屋の中に
戻った。



何も言わないけど『どーぞ』
って顔であたしを見てるんで、
緊張しながらもケースの
中身をテーブルに並べ始める。



(やっぱり半分くらいは、
おかずが崩れちゃってる……)



「……申し訳ありません。

大至急、もう一度お届けします」



振り返って、男の人に
向かって深々と頭を下げた。



ところが、返ってきた声は
意外にも、



「別にそのままでいいよ。

んなの食べれれば一緒だろ」



「……えっ? で、でも、
そういうわけには……」


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