《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「どうしちゃったんだろうな、
仁科さん」



隣で瀬戸も心配そうに呟く。



答えようもなくて、洸は
激しいイラ立ちを覚えた。



その時―――…。



「あーあ、やっぱダメ
だったかぁ〜」



そんな声をあげながら、
自分の方向に歩いて来る
男に目が留まる。



スーツ姿のその男は、もう
一人別の男と一緒に、
会場を出ようと出口に
向かっているようだった。



男は訳知り顔で話を続ける。



「昔から度胸なかったからさー。

怖じけづいちゃったん
だろうなぁ」



(―――――!? 

アイツ―――!?)


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