葉が欠けた四葉のクローバー
伊織が焦って言った。


「そんなこと、解っているのだよ」


悠羽が眼鏡を拭きながら言った。


「もしそうだとしたら....一体誰がツバキを死なせたんだよ」


体育座りしながら、顔をうずめた龍雅。


「Mrs.Zとか?」


伊織が、何となく言った。


「確かにありえる、初めて会ったとき”ツバキ様が生きていると言ったらどうします”みたいなことを言って、いた様な気がするのだよ」


悠羽が、うつむいて言った。


「そうかもな....きっと、このゲームを盛り上げようと、ツバキを利用したかもしれない」


うずめていた顔を上げた龍雅。


「だとしたら....許せねぇな!!許せねぇよ!!」


拳に力を入れる、伊織。


「ああ...だからまずは、ツバキを探す!!」


「言われなくともそのつもりなのだよ龍雅」


「俺も、早くツバキなあいてぇーからな」



俺達はこの時、何もわかっていなかった、自分たちが敵に回そうとしている存が”神”だ


ということに、そして、このゲームの仕組みにすらまだ気付いていない自分たちに....。


「所詮人間などただのエサにしかならん....もっといい者はいないのか.....」


長い黒髪で髪の毛を一つにまとめ、切り目で瞳が赤く淀んでおり、白と黒の服で身を包み、全身から見避けもよだつ、只ならぬ雰囲気が漂っている。


その男の腕には、赤く染め上げられた人が握られていた。


「もっと....もっとこの、クラウスを興奮させてくれる者がいたら....くくく..ふはははは!!」
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