夏の空~彼の背中を追い掛けて~
お盆明けの登校日。
茹だるような暑さの中、荷物を詰め込んだ鞄を下げ、私は学校へ向かう。
「真弥、今日ね途中まで俊ちゃんが迎えに来てくれるって♪」
何だか嬉しげに、紀香が笑う。
迎えに来てくれる事が、紀香は嬉しいの?
車がある訳じゃないし、徒歩かチャリで来るんでしょ?
でも…そっか…。
数時間後には会えるって事だよね!?
楽しみだなぁ~。
どんな人なんだろう♪
「あっ!それと…多分、俊ちゃんがそのまま自分の家に連れて行くと思う」
えっ!?紀香の家には行かないの?
私は構わないけど、何だか紀香に悪い気がする…。
だけど俊ちゃんが『真っ直ぐ家に直行』と言うなら、私は付いて行くよ!!
「OK!分かった」
私は右から左に先生の話を流しながら、下校時間を待った。