夏の空~彼の背中を追い掛けて~


きっとメッセージカードに書こうと思った事を、書き出したんだろう。



そこには沢山の言葉が綴られていた。



“必ず幸せにする”



“ずっと傍に居るよ”



“どんな困難も、2人でだったら乗り越えられる!”



“これからは、俺が真弥と子供を守るから”



“俺と結婚して下さい”



“真弥に出逢えて、俺は幸せだよ”



“照れくさくて、中々言えなかったけど……愛してる”



どの言葉も俊ちゃんにはしっくりこなくて、クシャクシャにして捨てた光景が頭に浮かぶ。



「テーブルの隅に置かれたカードは白紙だったけど、どれも俊介の素直な気持ちだと思うの」



うん…私もそう思いたい。



「真弥さんの辛い気持ちは良く分かるわ。私も辛い。でもね、そのメッセージを見た時、フッと思ったの。悲しんでばかりいる私を、俊介はどう思ってるかしら?って」



私はお義母さんの言葉に、何も答えられなかった。



もし俊ちゃんが生きていたら、きっと『泣くな』『笑えよ』と言うだろう。





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