もらう愛=捧げる愛
通話が切れて、耳に押し当てていたケータイを握り締めて、泣いた。


あたしを愛してくれた人。


でも、違ったの。


あたしが欲しいのは、課長、あなたじゃありませんでした。


好き。


その気持ちをくれたのは、たった1人の甘い笑顔。


───ハルくん


会いたい…。


会いたいよ…!


こんなに汚いけど、こんなに傷だらけだけど、もう一度。


もう一度だけ。


あなたの笑顔が見たい…!


最後にこんな女もいたな、って、頭の隅にあたしを置いてほしい。


ほんの少しの隙間でいいから…。
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