もらう愛=捧げる愛
メイク道具を取り出して化粧をした。


髪を丁寧に巻いて、水仙色のワンピースにレースのカーディガン。


バッグを持ってアパートの鍵を閉めた。


タクシーに乗り、行く先を告げる。


向かう先は、あのハンバーグのお店。


会えるかどうかもわからない。


それでもあたしは踏み止まってはいられなかった。


全てを打ち明けたい。


そして嫌われてしまえば、本当に全てを終わらせられる、そう思った。


終わらせて、課長の言う通り、あたしは自由に。


自由に…。
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