もらう愛=捧げる愛
「初音…さん…?」


味わう間もなくかけられた言葉に顔を上げると。


そこには…


「ハル…くん…」


どうして…?


どうしてここにいる、の…?


「初音さん…」


驚いた様子のハルくんは、テーブルの向かいに着き、店員が運んできた水を一口飲んだ。


「急に仕事やめちゃって、心配してたんだ。少し…ううん、かなり痩せた…?」


「うん…。あたし、ね…ハンバーグ食べたくて…ハルくんと」


「そっか」


ハルくんはそれ以上何も聞かず、同じハンバーグを注文して、2人で何も言わず食べた。


張り裂けそうな胸であたしは半分も食べられなくて。


それでもあたしは十分だった。


最後の思い出に。


ハルくんとマヨネーズをのせたハンバーグ。
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