もらう愛=捧げる愛
ハルくんは食べきってしまうと、あのバーに行こうと誘ってくれた。


店を出ると、


───フッ


「初音さん!?」


体の力が抜けて、あたしは倒れ込んでしまう。


「初音さん!大丈夫!?」


「少し…ごめんね、貧血みたい…」


何日も食べられなかったせい、ハルくんに会えて緊張の糸が切れたせい。


そのままハルくんに抱きかかえられて、タクシーに乗った。


「とりあえずボクん家、ね?」


「うん…ごめん、ね…」


ハルくんの肩に頭を預け、それきり意識が途絶えた───…。
< 126 / 137 >

この作品をシェア

pagetop