もらう愛=捧げる愛
「迷惑かけちゃって。ゴメン、ネ?」


「迷惑だなんて思ってない。ねぇ、初音さん。何があったのか、ボクに話せる?」


「うん…。最後に聞いてほしい…カナ」


「うん」


あたしは大きく息を吐いて、ハルくんを見つめた。


「あたしね、間違った結婚はしたくなかったの」


「うん」


「それでね、いろんな人と関係持ってたんだ」


「セフレ…?」


「ううん、そんなんじゃなくて。男の人を素通りして、知ったフリになってたの」


「うん」


「星野課長と薬局の多田さん、同時に関係持ってて。多田さんからDV受けてたの」


「それが…手の痣とか、首の傷?」


「うん。自業自得で。それを止めようと課長が話し合ってくれたんだけど、結果、巻き込むかたちで。星野課長の交通事故、多田さんが仕掛けた罠だったの」


「あの事故が…多田さん…?」


「あたしと関係を持って仲を裂こうとした課長が気に入らなかったらしくて。あたしは多田さんの言いなり、毎日殴られたり、蹴られたり、セックスを強要されて…。GWには監禁されたの…」


「監禁…」
< 128 / 137 >

この作品をシェア

pagetop