もらう愛=捧げる愛
「もう少し、歩ける?」


「…うん」


言う通り、数分歩いてハルくんが止まったのは、小ぶりでかわいらしいお店の前。


通い慣れてるのか、店員さんと少しだけ話をして、奥のテーブルに2人で座った。


「注文はもう済ませたから」


「うん…。アリガト」


2人の間に会話は、ナイ。


時々向かいのハルくんを見上げると、


「んっ?」


って、整った眉毛を上げる。


間が持たないあたしは、運ばれてきたお水のグラスとおしぼりを交互にいじる。


何?この感じ…。


手と足の冷たい感覚が、火照る体とは正反対。


もっとうまく髪を巻けば良かったな、とか、ネイルを丁寧にやっておけば良かったなんて、どうでもいい事を考えてしまう。


ハルくんは。


今、何を思ってるんだろ…。
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