愛する人。





 もう、何年を病院で過ごしただろう。



 いつも穏やかなその顔が曇りがかる事はなくて。

 俺はこんなに一緒にいたのに、何も分かっていなかったんだ。



 ……裕太にぃの苦しみを。


 ……絶望を。






「そんな顔しないで。

 悪かった」



 そう言って、いつものあの儚い笑顔で笑いかける裕太にぃを見てると、泣きたくなった。



 喉から何かがせり上がってくるのを感じながら、それでも。


 気付かないフリで笑い返した俺。





 別れはもう、すぐそばだった。




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