愛する人。
* 11 *
……暖かい…。
まどろみの中目を覚ますと、蓮くんが私を抱き締めたまま眠りについていた。
見上げると、彼の丹精な寝顔。
「フフッ……睫毛長い…」
いつの間にか……
そう、きっと泣いたまま寝付いてしまったんだわ。
そ…っと蓮を起こさないように腕からすり抜ける。
「ん…」
抜けた途端に右手で何か……私を探し始めた。
「ふふっ 寝ぼけてる…」
私が頬にキスをすると
また、深い深い眠りについた――。
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