獣恋道-恋はいつでも獣道-
「永瀬くんとなんかあった?」
やばい。
あたしは、内心焦っていた。
なんかあったのは篤志じゃない…弟の方だなんて…言えるわけない。
それ依然に、あいつがここにいると思うと帰りたいとしか思えなかった。
フラッシュバックする、あの日のキス…
「ユリ、千雪ちゃん」
「あっ譲さん」
「NEROスペシャルお待たせしました」
と、譲さんが運んできてくれたのは、キレイなオレンジ色とピンク色のカクテル。
「NERO」というのがこのお店の名前らしい。
イタリア語で、「黒」という意味。
「あの、これ…「サービスだよ、千雪ちゃんの初来店祝い」