獣恋道-恋はいつでも獣道-



「もしもし、」


英志くんは、一体何を考えてるの?




「千雪?」



この声を聞いただけで、胸がチクリと痛む。

この痛みは篤志の浮気に対するものなのか、篤志への罪悪感なのか。



「…なに?」

自分でもひどく冷たい声色になったのがわかった。




「今から会えない?早めに帰ってこれたんだ」


平然とつかれた嘘。

いつものあたしなら喜んで承諾しただろう。


< 72 / 106 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop