使者の黙示録
いずれにしても、ただ事ではない何かが必ず起こるに違いない。

使者は、そのことを誰かに伝えて広めるために

このシスターのまえに現れたのではなかったのか?


「……!?」


白い布の空白の部分を、ずっと眺めていた占い師の顔つきが、急にこわばる。

数秒後、その顔はもとのやわらかな表情にもどり、シスター・マヤに向けられる。


「シスター、もういいよ。ありがとう」

「いえ…」


白い布から手を離したシスター・マヤは、メグの手をとって帰ろうとする。

すると

占い師の女性は、慌てたようにシスター・マヤを呼び止めた。

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