使者の黙示録
いまなら、ボディーガードたちの話したことが、何となくわかる野瀬である。


(得体の知れない男だ…茅島団司)


野瀬は顔を左へ向けてアーケードの方へ目を移すと、団司が現れていないか確かめる。

来るのかどうか分からない団司だが

どちらにしろ、まだ時間が早いようだ。


野瀬はタバコを口にくわえると

左手に持っているライターで火をつけようとする。

ところが、そのライターは


「!?」


いままで普通に着火していたのに、いくら火を起こそうとしても着火しない。


携帯電話につづき、ライターまでが同じように故障にみまわれたようだ。

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