使者の黙示録
流れる涙が止まらない。

ひとつの想いが、シスター・マヤの心の奥からわき上がる。


(やっと会えた)


自分に愛をさずけてくれた、生きとし生けるもの全ての創造主。

シスター・マヤの命が、歓喜の想いに打ちふるえている。


人間の愛をはるかに超えた、どこまでも広く深く、大きな愛が

シスター・マヤを優しく包み、抱きしめる。


(いつまでも、こうしていたい)


シスター・マヤの心が、そういう想いでいっぱいになったとき


「シスター!」


遠くからの叫び声に、彼女の意識は人間の世界に呼びもどされるのだった。

< 293 / 357 >

この作品をシェア

pagetop