使者の黙示録
次の瞬間、団司の表情が真顔に変わる。


「そのことは、シスターには言わないでもらえるか」

「もちろんだ」


ルゼも分かっている。


ただでさえ、悲しみのどん底にうずくまっているシスター・マヤが

修道院を擁する教団が、悪の権化のような組織だったと知れば

彼女は二度と立ち直れないほどのショックを受けるのは、目に見えている。


知らなくてよい事を、わざわざ教える必要はない。

シスター・マヤは、その生涯において

教団の真の姿を知らないままに、自分の人生を全うすれば良い。


ルゼも団司も、そう思うのだった。

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