使者の黙示録
今年の夏も、テレビのニュースで報道されたのだが

わが子を車内に残した親が、パチンコに夢中になるあまり

まだ幼い子どもは、車の中で短い命を終えたという事件に

シスター・マヤは、やるせないほどに心を痛めた。


自分の子どもよりも己の欲望を優先する、自己中心的な人間がいる限り

このような悲しい事故が無くなることはない。


シスター・マヤは、いま目の前にいるジュースを差し出す男に対して

嫌悪な表情を浮かべながら「結構です」と、突き放すように言うのだった。


そのとたん、団司の顔つきが一瞬で変わる。

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