狼様の愛のカタチ理論【番外編】




「沙優は一人で来たんだよ。扇李には用事があって早く来てもらったからさ」



聞きなれた声が響き、その人物が院長様の横に立つと私に軽く手を振る


「あ…呉羽さん?」


「どうも、母上…今の聞いていましたか?ですから、二人は喧嘩などしていませんよ」


「……あ」

呉羽さん…もしかして助けてくれてる?


嬉しい、なんて言おうか迷っていたから…


彼に便乗するように私も頷く



「あら…そうなの?もう…私は二人が一緒にいる所をみたいんだから…ダメじゃない呉羽。楽しみにしていたのに」


腰に手を当てながら呉羽さんを少し睨み付け、それに彼は苦笑いしながら口を開く



「そんなことより、母上。他の界の者に挨拶がまだ済んでないので沙優との会話はまた後にお願いいたします」


「あ…そうね。つい沙優の姿を見つけたから脚が勝手に動いちゃったわ」


そう言うと、私の手を握り院長様は目をキラキラさせながら私を見つめる


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