恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
「あの女、何処行った?!」
ドクンドクン
息も出来ないくらい、心臓が高鳴る。
バタバタバタバタ………
…………
行った?
はぁー…………
よかっ
「よかったなあ」
え?うそ………
「はは、お前馬鹿だな。逃げ切れると思ったのか?
考えが甘いんだよ」
今わたしの目の前にいるのは、さっきわたしの前を通り過ぎたはずの最初に会った岡宮組の男。
怖くて後退するけど、後ろには壁。
もう逃げれない。
男はわたしが逃げないように腕を力強く掴み、どこかに電話をかけ始めた。
腕を振り払おうとするけど、今度はびくともしない。