恋する*spring~春をうられたわたし~【完結】
まだ頭が痛むのか、翡翠は頭を押さえながら寝室を出て行った。
わたしもしばらくぼーっとしてから部屋を出た。
翡翠はコーヒーを飲んでいるところだった。
翡翠って朝はコーヒーなんだ。
明日からは一応わたしがやった方がいいよね。
家に置いてもらってるわけだし。
「それブラック?」
「ああ、飲むか?」
「いらない」
だってコーヒー嫌いだし。苦いもん。
朝は(というかわたしの場合はもう昼だったけど)ココアとサンドイッチに限るね。
「ユリ、お前もさっさと着替えろ」
わたしが考えごとをしていると、翡翠に声を掛けられた。
声がした方を見てみると、いつの間に着替えたのか、スーツ姿の翡翠。