星降りの丘
1st Star
「まったく、またこんな点数?」


あたしは、答案を前に唇を噛み締める。


「星愛はあんなに優秀なのに……どうしてあなたはこんな劣等生なのかしらね……」


……まただ。またあたしとお姉ちゃんを、このオバハンは比べる。


「あんたもちょっとは星愛を見習いなさいよ。じゃ、仕事行ってきます。」


「行ってらっしゃい。」


あたしは、オバハンの丸い背中に向かって思い切りあかんべえをしてやった。


そして、答案を引っつかむと真っ先に部屋に飛び込む。


「ああ、お帰り星羅。」


そこには、いつもお姉ちゃんの明るい笑顔があった。


「ただいま。お姉ちゃん。」


ここでようやく、あたしは家の中で笑えることができる。


そう、いつもいつも……
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