雨宿り



里ちゃん達と別れて、また歩き出す。

喋らんでも心地よい時間。

風が強く吹いた。

ブルッ!

少し寒いな。

「寒いか?」

渉が後ろから抱きしめてくれる。

暖かい渉の胸。

渉の心臓の音が波の音と重なり合い…

不思議と安らげる。

「美桜」

「うん、寒ないよ。渉とこうしてたら…身体も心もぽかぽかや」

「うん」

「渉」

「うん?」

渉の手に手を重ね

「いつまでも…こうしていてな」

「美…桜…」

海が月の光りを浴びてキラキラ輝いてる。

渉…

私はな…

渉という光りを浴びて…

美桜として…

輝けるんやで…

そやから…

いつまでも傍にいて…







※Fin*














< 104 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop