雨宿り
里ちゃん達と別れて、また歩き出す。
喋らんでも心地よい時間。
風が強く吹いた。
ブルッ!
少し寒いな。
「寒いか?」
渉が後ろから抱きしめてくれる。
暖かい渉の胸。
渉の心臓の音が波の音と重なり合い…
不思議と安らげる。
「美桜」
「うん、寒ないよ。渉とこうしてたら…身体も心もぽかぽかや」
「うん」
「渉」
「うん?」
渉の手に手を重ね
「いつまでも…こうしていてな」
「美…桜…」
海が月の光りを浴びてキラキラ輝いてる。
渉…
私はな…
渉という光りを浴びて…
美桜として…
輝けるんやで…
そやから…
いつまでも傍にいて…
※Fin*